用語集
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AIリテラシーとは?
AIリテラシーとは、AIを責任をもって利用、調達、監督するために必要な実務的な知識です。システムの用途、出力が生成される仕組み、誤りが起きやすい点、入力したデータがどう扱われるかといったことが含まれます。EU AI Actは第3条第56号で、AIリテラシーを、提供者、導入者、影響を受ける者が十分な情報に基づいてAIシステムを導入し、AIの機会とリスク、そしてAIが引き起こしうる害を認識できるようにするためのスキル、知識、理解と定義しています。
求められる水準は役割によって異なります。AIが作成した要約を読む保険金請求の担当者は、どのような場合に元の書類を確認すべきかを知っておく必要があります。モデルを基盤に開発を行う開発者は、そのモデルの既知の限界を理解しておく必要があります。取締役には、リスクについて的確な質問ができる程度の知識が求められます。
EU AI Actの要件は?
第4条は2025年2月2日から、提供者と導入者の双方に適用されています。当初の条文は、自社の従業員や自社に代わってAIを運用する者について、十分なAIリテラシーの水準を確保するための措置を講じるよう求めていました。デジタル・オムニバスは2026年7月27日に発効し、この義務を緩和しました。現在の第4条は、提供者と導入者に対し、従業員と自社に代わってAIを運用するすべての者のAIリテラシーを、それぞれの役割に応じて支援・促進するための措置を講じるよう求めています。十分な水準の確保はもはや求められておらず、個々の人について特定の水準を保証する必要もありません。欧州委員会と加盟国には、特に規模の小さい企業を中心に、これを支援することが求められています。
義務は緩やかになりましたが、適用されることに変わりはありません。EU AI Actガイドでは、この義務を同法のほかの適用日や義務とあわせて整理しています。
他のフレームワークでの扱いは?
ISO/IEC 42001は、力量と認識に関する箇条7.2と7.3で同じ領域を扱っています。AIに関わる役割ごとに必要な力量を定め、それを備えさせ、そのエビデンスを残すことを組織に求めています。NIST AIリスクマネジメントフレームワークは、GOVERN 2.2において、従業員とパートナーが職務を遂行できるよう、AIリスク管理に関する研修を受けることを求めています。どちらもカリキュラムは定めていないため、内容は各組織で決めることになります。
AIリテラシー義務を果たすには?
まず、従業員が使っているAIを把握することから始めます。社内でどのツールが使われているかがわかれば、どの研修を優先すべきかが見えてきます。文章作成アシスタントを使うチームと、エージェントを開発するチームとでは、必要なガイダンスが異なるからです。研修は役割ごとに合わせ、誰が何をいつ修了したかを記録します。新しいモデルや機能によって必要な知識が変わることがあるため、ツールが変わったら研修も更新します。利用ポリシーを定めておけば、研修で参照すべきルールが明確になります。
Enzaiは研修そのものは提供していません。AI検出とインベントリでは、どのAIツールが使われているかを確認し、それぞれにオーナーを割り当てられます。そのため、従業員が実際に頼っているツールに的を絞って研修を行えます。
例
ある欧州の保険会社の保険金請求チームは、承認済みのAIツールを使って医療報告書を要約しています。第4条に対応するため、同社は請求担当者向けに、要約で詳細が抜け落ちやすい点と、報告書全文を読むべき場面を学ぶ短い研修モジュールを用意し、その上長にはAIを活用した判断のレビュー方法に関するセッションを実施しています。修了状況は学習管理システムに記録し、ツールのモデルが変わるたびにモジュールを見直しています。規制当局から求められれば、どの役割が、何について、いつ研修を受けたかを示すことができます。
